私は10月から仕事復帰しましたが、その10月は仕事復帰に加え、介護支援専門員(ケアマネジャー)の試験を控えておりました。
ケアマネに関しては前から興味があったものの、忙しさにかまけて勉強しようとしてはあきらめていました。
ですが今回育児休暇を頂くことができ、多少自由になる時間があったことで、これはチャンスかも!育休中に勉強して今年こそはケアマネの資格を取ろう!と決意し、4月から勉強してきました。
病棟看護師がケアマネを取得する意義であるとか、ここまで独学でどのように過ごしてきたか、そして残り1か月で今から何ができるか自分のモチベーションのために考えまとめてみました。
今はただの自己満足記事ですが、もし、合格できたら誰かの何かに役に立てる記事に育ってくれるかもしれない。そんな願いも込めて現時点でのことを書いてみました。落ちたらどうしよう!って思うけど・・・絶対合格するぞ!と思っています。
※このあと無事に合格することができました!
このときの気持ちを忘れないためにも記事を残させてください。同じ道を目指すみなさんにとってなにか少しでもお役にたてることがあることを願っています。
ケアマネジャー=介護支援専門員ってどんな資格?
介護支援専門員=ケアマネジャーとは、介護を必要とする人の相談に乗り、いろんな調整を行ったり、実際にサービスを利用するときに必要なケアプランと呼ばれる計画書を作成する仕事です。
ケアマネジャーの資格は都道府県が担当しており、試験は毎年行われております。合格率はその年の試験結果で変動があり、一概にどれだけが合格できるとか「〇点とれば合格」とも言い切れません。全国での合格者のパーセンテージは30年度は10,5%、29年度は約20%、28年度は約13%でした。合格率はかなり低く、狭き門といえるのではないかと思います。勉強していない状態で過去問を解いてみるとちんぷんかんぷんです。
確かに難しいのですが、これだけ合格率を下げている要因は、受験する対象が皆なにかしらの資格保持者ですでに仕事をしながら生活しているわけで・・・普段の仕事の合間に時間をみつけて勉強するスタイルだからということも考えられます。
towa
私は不器用な人間なので普段は仕事でいっぱいいっぱいです。育休は神様が与えてくれたチャンスなのかもしれません。
でも働きながらでも合格されている人はたくさんいます。ケアマネの試験は働きながら取得する資格ですから、忙しい時間でどう勉強していくかが大事なのです。裏を返せばきちんとポイントを押さえて勉強すれば合格できる資格とも言えますね。
試験問題はどんな感じなの?
ケアマネの試験問題は全部で60問。うちわけは介護支援分野25問、保険医療サービス分野20問+福祉サービス分野15問を合わせた35問、2つのカテゴリーでの正解率で合格が決まります。これまでは職種によって免除される項目があったのですが、現在は免除項目がありませんので皆平等に問題が出されます。
合格率は年度によってもかなりばらつきがありますが、おおむね60点以上が合格の目安となっています。問題数で言うなら介護支援分野で15問、保険医療と福祉サービスで21問が合格できるかできないかきわどいラインということになりますね。今年度の合格ラインはどうなるのか気になるところです。
私の目標としてはおそらく文句なしで合格といえる「介護支援分野18問、保険医療と福祉サービスで25問」を目指したいです・・・。過去問をやっていると重箱の隅をつついたような問題も一定数出されるので、どんなに念入りに学習しても満点はまず不可能な感じです。介護保険制度の全体像をしっかりとらえられるよう学習していきたいです。
試験勉強をどのように進めてきたか?試験問題の全体像を把握してポイントを押さえる
私は4月から勉強していますが、4月はまだ半年も期間があったので日に15分~30分ほど勉強に取り組む感じでした。とりあえず毎日やるというのは決めていたのだけど・・・やる気なくだらだらとやってしまいがち。同じ時間でももうちょっと集中するとか本腰入れておけばよかったと思います・・・(笑)
前提として述べておきますと、私は看護師としての基本的な疾患等の知識があること、退院支援に特化した病棟で勤務してきたおかげか事例問題はなんとなく雰囲気で特に学習なしで解けました。事例問題に関しては一般常識を問う感じなので誰でも解けそうですが・・・問題数でいうと10問弱といったところでしょうか。そんなことを言いつつ疾患も分からないところあったりしますがね。(え!?)だいたいはわかっているので、全く分かっていない介護保険制度などを重点的に勉強していくほうが点数アップには効率的です。
と、いうことで残り50問にターゲットを絞って勉強していきます。その50問もどういった分野から出題されているかなど、過去問等に詳しく分析されていますので、そちらを読むとケアマネのために勉強する範囲はここだな、と理解でき全体像をつかむことができます。問題は難しいので不安もありますが、範囲そのものは決してめちゃくちゃな量ではありません。
使った参考書は晶文社
私はちょっと調べてみて評判のよかった晶文社さんのテキストを利用しています。
分かりやすいのでこれにしてよかったと思いますよ!この紫色の「合格テキスト」はいわゆる参考書です。この本1冊頭に入れたら合格できますね!分厚いけれど、看護師の国家試験よりは勉強が必要な量はずっと少ないです。
この会社のものでなくても勉強する流れを押さえておけばどのテキストでも大丈夫なのではないかと思いますが、一応ご紹介させていただきます。
私としてはこの参考書を選んで後悔はありませんでした。
勉強のすすめかたもこの合格テキストに書いてくれてあります。ここにはまずは過去問と書かれていたけど、私は「過去問と同じ問題はでないからな・・・」という基本問題集からやりました。最初はほぼすべての問題がちんぷんかんぷんだったので1問ごとに解説を読み込んで合格テキストも見て書き込んで覚えて・・・って感じですすめていきました。
4月はこの基本問題集を繰り返しときました。4月のうちに2回やりました。
最初はちんぷんかんぷんだったのではかどりませんでしたが、何度か解くうちにある程度覚えてきます。
5月は基本問題集の下巻。割とペース早く解けましたので3回ほど解きました。
下巻は医療系の問題が含まれるので看護師の私としては比較的解きやすいです。福祉サービス分野はさっぱりですけど、点数が合算なので助かるな。
6月~7月で上巻をもう1周解いてこの一問一答もやりました!
基本問題集は問題をだいぶ覚えたのでかなり解けるようになっていたのですが、問題が変わればコロッと解けなくなるので・・・焦ります。このころまだ、介護施設の種類ですとか、あやふやな点がたくさんありました。
8月は過去問です。
晶文社さんのテキストの中でもこの過去問がいちおしです。解説がとっても分かりやすい!ただ解説するだけでなく、問題の消去法のやり方なども書いてくれているので、試験問題の捉え方を学ぶことができました。それとその解説がなんとも人間味があふれていて、読んでいて楽しいです。この過去問で結構理解が深まったと思いますのでこの本だけは買って欲しいと個人的に思います。
今思えば基本問題集と一問一答に時間かけすぎました。早めに過去問に行っておけばよかった。過去問と同じ問題は本番では出ませんが、どういった範囲の問題が出されているかが分かりますし、ですがただ過去問を解くだけでなくその過去問から「保険料の徴収はどうやる?」「生活保護とは?」「成年後見人制度とは?」などなど・・・それぞれの項目を深く掘り下げて理解するって感じで使うのがいいです。
問題の傾向になれ、その分野の知識をひとつひとつ埋めていけば、合格ラインに到達することは可能だと思います。
それにしても今思うに、合格テキストで記載されている通り過去問からやってもよかったなと思います。基本問題集からでも悪くないですが・・・。
とにかくケアマネの試験の問題の出し方、言い回しが独特なので一問でも「問題を解きながら覚える」やり方が最初のうちは絶対におすすめです。テキストはもちろんあったほうがいいんだけど、このテキストを読み込んで頭に入れるだけだと、実際に問題を解くとき引っ掛けポイントに引っかかってしまいます。おっちょこちょいな私は2つ選べとか3つ選べを見落としてしまって失点する・・・なんてことが最初はかなりたくさんあったのですが、問題を繰り返し解くことでかなり慎重に確認するようになりました。
towa
そして9月現在は実践予想問題集をやっています。これでテキスト全部ですね。一応自分なりには最初に考えた計画に沿ってまずまずすすめられています。現在はさすがに焦りがあって毎日1~2時間ほど勉強しています。しかしですね、子供たちが寝てからやっているのですが、眠くなったらアウト。昼間にやるべきなんでしょうが次男の昼寝の合間だと本腰が入らないんですよね。(でブログを書くっていう・・・勉強しなさいよ、自分)
この予想問題集は本番と同じ問題数、出題範囲で全部で5回分掲載されているのですが、先に進むごとに難しくなっています。1回目は合格ラインに到達できるのですが、ちなみに5回目を解くと・・・これまでにちょっとついた自信が脆くも崩れ去ります。予想問題集はかなり難しく仕上がっています。ということで、短期集中で勉強されるならばやらなくてもよいのかなと思います。上下巻と過去問がおすすめですね!
この問題集の後半に取り組んで一度目で合格点がとれれば、本番もきっと合格できるレベルになっています。
問題集は安く入手して、無料ツールも活用
ちなみにですが、これらの参考書のトータルでの金額は17000円ほどとなります。
ここは主旨からずれてしまいますが、私は参考書を購入するとき楽天市場の買い物で30%還元も叶う4つのポイントを利用しています。こちらのうれしいポイントとして普通値引きしない本でもポイントが還元されることがあげられます。17000円ならば約5100ポイントを還元してもらっていますよ。実質12000円の支出で済みました。法改正などもありますので、参考書類は最新版を入手する必要があります。少しでも安く手に入ると助かります!
そしてもうひとつ活用しているのが動画サービスです。
こちらの吉川正人先生が発信しておられるyoutubeでのケアマネ講座が分かりやすいです。聞くときはかなり集中しないと頭にはいってこないので、合格テキストを開いて書き込みながらやってます。学生時代を思い出すわ。ぱっと理解できないところはなんども再生して確認できるのが動画のいいところですね。やはりテキストを自分で読んでいるだけでは頭に入ってこない苦手な分野があるのですが、こちらの吉川先生のおかげで結構理解深まりました。
例えば地域支援事業とか名前が似通っていて自分で参考書見ていても理解が難しいんです。そういったところの理解に活用できます。
問題を解く勉強法は必須ですが、それだけですと知識が点として蓄積されていくイメージです。こちらの動画やテキストでしっかり理解することで点と点がつながり線になっていきます。
こちらの吉川先生、アメブロでもブログを書いておられます。そちらも読んでみるとよいかなと思います。
ほかにもブログで解説をやってくださる講師のかたもいらっしゃり、こちらは隙間時間にチェックしています。
ぴよりんさんはフェイスブックで力を入れて試験対策してくださっている先生なのですが、アメブロも頻回に更新してくれています。私フェイスブックやっていなくてチームに入れない・・・。動画は一部有料のようです。無料の動画配信も2019年からスタートされているので、今から勉強される方は是非ご覧になってはいかがでしょう。
ちなみにブログでもいろんな問題を丁寧に解説してくださっているので、参考になります。最初は先生の出す問題が全然解けませんでしたが、今はおおよそ分かるようになりました。また先生は試験に向けメンタル面でも応援してくださります。
これって孤独に一人で勉強しているととってもありがたいんですよね。独学だと勉強できなかったときもついつい「今日は疲れたし」なーんて言い訳しちゃったり、ずるずると楽な方向にすすんでしまうことも多くて。
だけどブログを読んでいると「私まだまだだな、頑張らなきゃ」「ほかの人頑張って勉強してるなー!」など刺激をうけることができ、独学で勉強している私のモチベーションにつながっています。
※現在ぴよりんさんは動画での講義配信もされています。ぜひ授業を受けてみてくださいね!
こんな感じで無料のツールを利用させていただきながら勉強を続けています。テキストだけでは理解できなかったことも多くて、この動画の授業を見つけたときは嬉しかったです。ありがたく本当に熱心に見ました。
ちなみにケアマネ試験までにかかった費用として、ケアマネの試験申し込みに7000円ほど、参考書が実質12000円。合わせて19000円です。コストとしてはいい感じなのではないかな、と思っています。
私はのこりの3週間余りで、吉川先生の動画を全部みて、過去問と予想問題の間違えたところを押さえて本番に臨もうと思っています。
最短で勉強するならこうしてた
仮に私が仕事をしていたときにケアマネを受けるとしたらこうやって勉強していたかな?ってまとめてみました。
- 購入するのは合格テキスト、過去問、基本問題集の上下巻
- 過去問を1回解いて各項目の勉強をすすめる。テキストと動画で振り返る。
- 基本問題集の上下巻1回やる
- 過去問と基本問題集の上下巻を試験日まで繰り返し解きわからないところはテキストと動画で振り返る
これで最低限ポイントは押さえられるのではないかなと思います。
仕事の休憩時間にブログを読んだり、晶文社さんのアプリでちょこっと勉強していけるといいのかなと思います。休みの日はもちろんですが、夜勤前の午前中などは勉強時間もとりやすいですから月のうちの半分は勉強時間を確保できるのではないかと思います。
私は日勤のあととかは家事もあるし、業務で疲れすぎて勉強無理です。でも動画をちょっと見るとかならできる気がしますね。
こんなかんじでしょうか。
ケアマネ合格後に もう一度勉強方法を振り返り記事を書いてみました ので、よろしければそちらも読んでもらえると嬉しいです。
ケアマネジャーという職種が生まれた経緯と私がケアマネを取りたい訳
ここからは余談になりますが、なぜ病棟看護師の私がケアマネを取得したいと思っているかについて書いていきたいと思います。
私が看護学生だったころ、介護保険という制度が導入されました。国としては財政を圧迫している医療費を削減したいという考えのもと、在宅医療を推進する動きがあります。介護保険で在宅療養のシステムを整えながら、(介護保険導入前より負担額は増えているはず)診療報酬改定を重ねた現在、患者さんが長期に入院すればするほど、病院はどんどん損をするようになっており、退院を支援する働きかけを行うことで早期退院を目指さなければ、病院が生き残れない時代になっています。←そうでなくても新規の患者さんを受け入れるために退院支援は必要ではあるのですが。
そんな背景をみていると、これまで無駄遣いしてきたからこんなことになるんでしょ・・・と国を恨めしく思う気持ちも出てきますが、私は在宅療養そのものはすばらしいことだと思っています。
そんな在宅療養サービスの調整役がケアマネジャーです。それまではバラバラだった各種のサービスの窓口を1本化して利用者に分かりやすく、そして個人の実情に応じたプランが提供され在宅療養がスムーズにすすむように・・・といった目的でできた職種のようです。
訪問看護へ憧れを持った看護学生時代
在宅療養といえば今でも看護学生のときのことを思い出します。
実習で訪問看護を学んだ時、訪問看護に同行させていただいたのですが、在宅で療養される利用者さんのもとに看護師さんが「かんごしでーす!今日はどうですか?」と明るく訪問して、利用者さんとお話しされ必要な処置やリハビリなどを行っていました。当たり前ですがみんな自宅のお布団で自分の服を着て過ごしています。
それまでは病院で同じ服を着て病室という狭い空間で過ごす患者さんばかりみてきたものですから(入院していてもご自分の服を着ることは可能ですけどね)「後遺症があっても自宅で過ごせるんだなー!」「みんな自分らしく生活できていていいな!」と当時なにも知らなかった私は純粋にうれしかったのを覚えています。
そうして学生の私はいつか訪問看護に携わりたいと思うようになりました。
ですが、訪問看護というのは個々の判断力も求められる職種です。看護師として新卒で入るにはハードルが高いと思います。まずは看護師として一人前になる必要がありました。訪問看護への憧れをもった私も同級生たちと同じくある総合病院に就職しました。
私が就職したころは何十年と入院している患者さんもおられたし、なんというか「死ぬときは病院で」みたいな風潮がまだ当たり前だったように思います。がんの患者さんに告知をする・しないというのも「しない」人がまだまだ多かったです。今は告知を受け、自分がどう過ごしたいか決める患者さんもたくさんいらっしゃいます。一人暮らしでも各種サービスを利用すれば自宅で最期の時を迎えることができるようになってきました。
ある末期がん患者さんとのかかわり
以前とある末期患者さんの担当をさせていただく機会があり、そのとき確か2月末だったのですが、患者さんが「先生によ・・・桜が咲くころまで持たないって言われたよ・・・。家の様子を見に行きたいな。」とさみしく呟かれていたのを思い出します。
その方は独居でしたし、不安定な病状でしたが、自宅に帰りたいという思いもあり、サービスを利用して数日間だけいったん家に帰られました。そのあとは病院に再入院され、看取りを行いました。唯一の身寄りであるご兄弟さんからは患者さんが亡くなられたのち「弟はよい顔をしていた」と感謝のお手紙をいただきました。
本当になくなる直前、この患者さんからのナースコールが一晩中鳴りやみませんでした。行ってみても特に用事があるわけではなく患者さんは黙っておられるのですが、ナースが離れることを不安に感じているようでした。私はその日患者さんのお部屋に仕事のパソコンを持ち込み仕事をしながら、ほかの患者さんのコール対応で合間は抜けながらでしたが、何を言うでもなく5時間ほどマンツーマンで付き添いました。朝のラウンドの時間が迫り「ごめんなさい、もうほかの患者さんのところにも行かないと」と離れようとすると「行かないでくれ!」と叫ばれました。それでも私は離れるほかなく、業務に戻ったわけですが・・・その後意識レベルが落ちて、亡くなられたので私とその患者さんが交わした最後の言葉となってしまいました。
業務上ずっと付き添うことは不可能ですが・・・今でも時々そのときのなんとも複雑な心境を思い出します。
末期がんだから。独居だから。そんな理由で自宅に帰れないわけでもないし、必ず最後は自宅に行かなければいけない!という選択肢だけでもありません。このように自宅に一旦戻って、最後は病院という選択肢もあります。死に場所を選ぶのは本人なわけですが、そもそも告知がなければ選択する余地もありません。余命告知を受けることはつらいことですが、告知を受けないまま、自分の納得のいかないまま死んでいくのはもっとつらいことだと思います。
そう思うとその人らしい生き方を選べるような時代になってきたのだろうと思います。
その人にとって一番満足のいく最善の死にかた=QOD クオリティ オブ デスという概念が生まれたのも比較的最近のお話です。
整形外科の退院支援も難しい
また在宅療養の事例はこのような末期がんの方だけではありません。
私がこれまで所属していた主な診療科は整形外科でした。さまざまな受傷の経緯はありますが、整形外科疾患をもつ多くのケースに共通して言えることが「入院する前よりADL(日常生活自立度)が低下している」状態で退院に向けて働きかけなければならないということです。
高齢者の骨折で割合が多い大腿骨頸部骨折の患者さんは骨折そのもので命の危険に晒されるリスクはそこまで高くはないと考えられますが、受傷を経緯として様々な合併症を発症するリスクが高く(たとえば外出がおっくうになり活動範囲が狭くなることで徐々に寝たきりになってしまい、そこから誤嚥性肺炎を起こす。ADLが落ちたことで再度転倒してしまい反対側の大腿骨を骨折してしまう、入院・手術・安静時期の環境の変化で認知症が悪化してしまうなど)、そういったことが原因となって5年生存率など予後はあまりよくないという研究発表もあります。
ご高齢の方々はお仕事をされていない場合がほとんどですので、子供さんなどのかかわりが少ないような場合だと家庭内で引きこもり、社会から孤立化してしまうことも考えられます。
普段働くなかで、そんな事例をたくさん見てきて、退院支援が困難なこともたくさんあったため、私は自然と退院支援について興味がわいていました。ケアマネを目指そうかなと最初に思ったのがこのとき。一度はユーキャンの講座を申し込んだのですが、参考書の多さに圧倒され仕事の忙しさであきらめてしまいました。晶文社の参考書でやってみればよかったですね。
当時の私に「出題される全体量はめちゃくちゃな量じゃないんだよ」と言ってやりたいわ。
地域包括ケア病棟で退院支援の知識の必要性を改めて感じる
その後、診療報酬の改定に伴って病院内で地域包括ケア病棟が立ち上げられることになり、私は初期のメンバーとして整形外科から異動することになりました。
地域包括ケア病棟では急性期治療を終えた患者さんが退院支援を目的として転病棟してこられる部署です。対象は「退院支援を必要とするすべての人」です。そこでさらにいろんな疾患・いろんな事例で退院支援をさせていただくことになりました。ここでもたくさんの出会いがあり、多くのことを学ばせていただきました。さきほどの末期がんの患者さんをはじめ鮮明に覚えている症例もたくさんあります。
退院支援というのは文字通り退院に向けて支援するわけですが、支援の方法はその症例によってさまざま。同じ症例はないと言ってもいいのですが、一つ言えるのは退院支援の経験値と在宅サービスの知識量でこちらの関わり方や声掛けできる内容も変わってくるな、ということです。
退院支援を行う時点では要介護認定を受けていない患者さんもたくさんいらっしゃるので、そういった患者さんとかかわりを持つときにケアマネの資格(知識)があればよりお役にたてるだろうと実感しています。退院カンファレンスで病棟看護師として発言するときも、より退院後の生活を見据えた情報提供ができるようになるでしょう。
だから私はやっぱりケアマネを目指すことにしました。
ケアマネとして働くことになるかは分かりません。病院の方針でケアマネを必要とすることがあるなら使えることもあるのかもしれないな・・・といったところですが、ケアマネを持っているナースは一定数いますから、資格がどうなるかは分かりません。ただし、その知識を役立てる機会は必ずたくさんあると思います。
そうやって病棟看護師として退院支援に携わりながら、いずれは訪問看護分野で働きたいと考えています。私もいい年なので計画立てて目標に取り組んでいかなければなりません。その第一歩がケアマネジャーの取得ということになるかと思います。私のように病棟看護師でケアマネを目指している方が、いらっしゃいましたら・・・お互い頑張りましょうね!
それではここまでお読みいただきありがとうございました。
病棟経験7年目の看護師です。ケアマネの勉強法について検索し、こちらのサイトに辿り着きました。勉強法から、ケアマネ取得を目指した経緯まで、とても参考になりました。通りがかりのものですが、勇気づけられたのでお礼をお伝えしたくコメントしております。ありがとうございました。
ゆりこさん、コメントに気が付かず返信が大変遅くなり申し訳ありません。
私の記事を参考にしていただき、勇気づけられたとのこととても嬉しく思います。
またそのことをコメントしてくださった、ゆりこさんの優しさにも!
病棟勤務と学習の両立は大変だと思いますが、ケアマネの知識と看護が合わさることでより広い視点が持てますのでおすすめしたいです。
ぜひケアマネチャレンジなさってみてくださいね。