【訪問看護の悩み 3つ】病棟看護師からステーション転職3年での葛藤

こんにちは。

ブログも相変わらず滞っていますが、リハビリがてら記事を上げていこうと思います。

このブログをたちあげたのが2018年の8月。

この4年間は私の人生において結構濃い期間だったように感じます。

 

  1. ブログを立ち上げて副業をはじめた
  2. 家計管理や投資に取り組んだ
  3. ケアマネ、FP2級を取得した
  4. 長年勤めた総合病院を辞め憧れの訪問看護へ転職した
  5. 具体的には動けていないが起業の夢はずっと持ってる

ざっと挙げてみるとこんな感じでいろいろと転機がありました。

 

訪問看護に転職して今年で3年目。私も41歳になりました。41かあ…

 

当時の私は、今から思えばまだ若かった!

「訪問看護師になりたい」

「自分で訪問看護ステーションを立ち上げたい」

そんな途方もない夢を抱いたあの日の私。この夢がなければ今の私はいないでしょう。

 

あの時は病棟でいろんなジレンマなど抱えながら働いてきました。私は看護師としての能力は高くありません。急性期も苦手意識が強いです。でもひたすら耐えて働いてきたことで打たれ強くは育ったように思います。なるべく自ら望んで仕事しました。イベントごとはなるべく自分に割り振っていましたし、新しい処置があるときは年齢にかかわらずに積極的に習得するように努力しました。入院も日々率先して受けてきました。残業に苦しみながら家庭と育児をなんとかかんとかやり過ごしました。辞める前は両立していたとは言い難い状況だったように感じます。

大変な中にやりがいや楽しさも見出していました。でも体力的に限界に感じていただしやりたいことを見つめなおし『訪問看護』に行きついたわけです。

ただでさえ人手不足だった前職場。辞めるのは正直大変でした。1年半前から退職交渉していました。

すったもんだして退職にこぎつけ、憧れの訪問看護に転職したわけですが、これまでの総合病院に働く自分という立場を捨てる勇気も必要で、これで最前線の現場から離れてしまうのだという喪失感もあって単純に喜ばしいという気持ちではなかったように思います。

とはいえ今、この選択を後悔はしていませんけれども。

 

転職初めのうちは定時で退勤できていてこれなら家庭と両立できると感じました。仕事についても初めは覚えきれないと思ったけど、だんだん慣れてきて自分らしく訪問できるようになり。楽しくなってきて。

今現在は訪問看護のお仕事というものがだいぶ見渡せるようになってきたように思います。

だから純粋に楽しいばかりではなくなってきました。

これはどの仕事でも共通していると思いますが、慣れてきたということは現場を回さなければならなくなるからでしょうね。

 

訪問看護の悩み 1:看護師の能力値について

在籍期間が長くなるほど、いつまでもお客さんでも新入りでもいられませんから、自分が背負うものが増えて負担が大きくなります。日々訪問だけすればいいというものではなく利用者さんの経過を見たとき、決まったルーティンワークだけではない関わりが必要なタイミングというものが存在します。また急性の症状が出てタイムリーに動かなければいけないケースも出てきます。

それを皆個々に対応できるといいのかもしれませんが、長く働いてくるとそれぞれ職員さんの持ち味も得意も苦手も全部見えてきて…どうしても知識や観察が不十分だったりするのが分かってしまったり。

で、結局、私も未熟なくせに様々な提案をしたり連携したりという役回りになってきてしまいます。

主体性がちょっと弱いのかな…そもそもこのステーションでは個々の主体性を育てるような方針でなかったという問題が大きいようには思うのですが…

あとは看護師としての経験値というか疾患や治療の知識…これはやっぱり病院と比べるとかなり弱く感じます。看護師の能力ってもちろん病院で培われるものがすべてだなんて思っていませんが、今の職場では病棟経験が多くても5年までの職員さんで構成されています。

病棟経験がすべてとは思わない。けど、訪問看護師の範疇ってグレーゾーン含めて病院看護師よりもすごく広いんです。いろんな判断が求められます。医師が身近にいないことで、ある程度の判断ができなければいけません。加えていろんな判断が求められる中『看護師の範疇』を十分に理解した上で行動することが求められます。だからある意味、病院看護師より幅広い知識や経験が必要と思うのですが、実際には通常の業務では「疾患に関する観察力や判断力が育ちにくい環境」だと思うんですよね…そもそも指示書を発行してくれる病院以外はその利用者さんの疾患名も分からないまま訪問しているわけですから。

「病名を知らなくても看護はできる」とかつてある上司が言われていました。確かに病名だけにこだわりすぎてはいけないと思います。疾患に関係なく全身状態の良しあしを判断したり、症状別での看護もとても大切です。でも情報は多いに越したことはなくて…普段は処方されたお薬からどういう診断がされたのか推測しながら…という流れが多いです。医療職ではない利用者さんから受診内容を聞き取るのですが、もちろん重要な情報源ではあるものの伝言ゲーム的な要素もあっていくらか伝わりづらくなってしまって。認知症で独り暮らしの方なんかだと聞き取りがほぼ不可能です。

訪問看護というのはこんな環境で行われるわけですから、答え合わせできる機会が少ないんです。「たぶんこうなんだろう」って推測で看護をしていくことになるから。何がよりベターだったのか分からないまま過ぎてしまう。これ、どうしたらいいのでしょうね。重要なところは直接病院へ連携したりもしますが、個人情報の保護の観点から情報を取らせてもらえないケースもあります。

病院のように情報がまとまっていないので、日々ジグソーパズルをしているような感覚もあります。たくさんのバラバラのピース(情報)を合わせるには原画(病院での治療の流れなど)を知っているほうが有利です。原画を知らないとどのピースが大切な絵を記しているのか推測することが難しくなります。

そのあたりの葛藤がこれまで自分自身だけだったのが、今はスタッフもみんなそれぞれにも気を張ってしまう自分がいて…でもその価値観って今の職場では私だけ??が考えているような感覚にとらわれてしまっていて孤独感があるんです。

 

普段はそうでもないのですが、より孤独感が高まるのが医療度の高い利用者さん対応のとき。提供された看護サマリーすべての言葉を十分に理解できる人がほぼいない、だから困ったときの相談相手がいない、私の発言がこのステーションでの「答え」になりがち…。たまに孤独で怖くてたまらない感覚に陥るのです。病院にいると在宅の視点って持ちづらいですが、だからといって孤独で怖いという感覚には陥ることがなかったように思います。

 

病院と違いいろんなことがグレーであやふやなのが在宅です。それは理解できています。

でも今抱えている孤独感は正直想定外でした。私なんてまだまだ未熟で大先輩方がたくさんいるはずなのに、今の職場ではその存在がないんですよね…。私…私なんかじゃ…って。

これは病棟では感じなかったことです。

色んな人と働いてきましたが、経験が浅い子もたくさんいたけど、経験豊富なスタッフさんもその分たくさんいました。

今は…どうかな。もちろんそれぞれ長けているところがあって、みんなの人柄も好きです。なんですが…「あぁ、この人を目指したい」というような感情にはなれなかったというか…ここでは目標を見失った感覚があったのです。それが最近、職場がピンチの時に現れた方の立ち振る舞いを拝見して「この方はすごいな」と感じる機会があったのですけどね…。

私めちゃくちゃ失礼なやつですね…

そんな失礼なことばかり書いていますが、職場ではそれなりに馴染んでいるつもりだし、スタッフさんのこと好きなんです。訪問が好きという共通点もあるし。平穏な時は利用者さんの楽しいエピソードを共有したりほのぼのして。そんな時間が大好きです。だからこそ、こんな風に感じている自分に嫌気がさすというか、もっと前向きに取り組まなければいけないなと思う気持ちもあります。私ももういい年なので目標を追うばかりではいけないのでしょうね…。

おそらく今の私の立ち位置だと、個人的な葛藤は伏せて、もっとみんなが医療度の高い利用者さんの訪問に行けるようにサポートしたり知識の底上げに働きかけていかなければならないのだと思います。

私が2年前に転職したとき、ただただ訪問看護を学びたいという気持ちだったけれど、今は私が学んできた知識や経験を提供する役割も求められている気がします。もらうだけではいけませんでしたね、何か与えられる人でないと。

訪問看護の悩み 2:休みがとりづらく拘束が多い体制であること

2つ目の悩みとしては非常に休みがとりづらい、そして拘束時間が多い体制という点です。

うちのステーションは規模は小さいですが緊急時対応を行っています。つまり業務携帯を常にだれかが持っていて携帯待機として緊急事態に備えているのです。待機をしているのはフルタイムの職員。今うちは4人で交代制としています。

つまり1か月のうち1週間は携帯待機をしなければならないこと。実際には個々の事情などもあり、もう少し負担が大きいです。

この待機というのは何もかかってこない日もありますが、通常、平日毎日出勤しながら深夜帯呼び出されて訪問しなければならないケースもあります。また電話で済むことでも報告などで結構自分のOFFの時間がとられてしまいます。あの携帯が鳴り響くときのビクッとする感覚は持った人にしか分からないのかなと思います。夜寝ているときも、お風呂に入っているときも、トイレにいるときも。お風呂中に鳴ってびしょ濡れで電話にでたら間違い電話だった…なんてこともあります。結構精神的にキツイのではないかと思います。ある程度予測できる電話もありますが、突拍子もない内容だったりもして、これに対応できるようになるにはたくさん経験を積むしかないのだとは思っています。

週末待機だと、何かあったときの為、市内にいなければなりませんし、訪問や電話があると休んだ気がしない休日となります。普通通り過ごせばいいんですが、どうしても緊迫感はあります。そのまま翌週の勤務がスタートするとずーーーっと働いているような感覚に陥り気分的にも体力的にも疲労が蓄積してきます。朝呼び出しがあってお弁当作りも放り出して出かけなければならなかったり…頻度はそこまで多くはないのですが、どうしてもバタバタしてしまいます。

またうちは待機当番ができる職員が4名。ほかに半日パートさんもいらっしゃるのですが、欠勤があるとカバーが大変になってきます。一人は休んでも回るようにはシフトを組んでいるようですが、それが2人、3人と重なった場合は完全に回らなくなってしまいます。分母が少ないから。

病棟が休みやすいと思ったことなんて全くありませんが、今思えばまだどうにかなった感じがします。訪問に代わってからさらに「絶対に休めない」というプレッシャーの元働く機会が増えました。就職活動の時「休みは取りやすいですから」と説明を受けましたが、ちょっと違うかな…これは小規模になるほど休みづらくなるのではないかと思います。

ただ半日勤務だったり時間年休はシフト次第で融通利きやすい気がします。病棟だったら中抜けとか無理ですし。

病棟ほど業務内容そのものは過酷ではなく、まったりと訪問できるおうちなど癒されますが、休みづらく拘束時間が多めという悩みがあります。

 

あとこれは個人的に思うことなのですが、休日出勤が少なく基本日勤しかないため、病棟と比べると自分の時間がとりづらい傾向に思います。病棟の時は月に4~5回「夜勤入り」「夜勤明け」がありました。夜勤で一晩働くというのは過酷なのですが、その分入りと明けで銀行などの用事を済ませたりゆっくり買い物をしたり、子供たちを学校や保育園に送った後に数時間の「自分時間」がありました。その時間に趣味や副業に取り組めたのだけど、今はその時間がなくて。基本夜眠れる生活はありがたく思っていますが、その分自由度が少ない生活になったと感じています。

訪問看護の悩み 3:思ったより残業している

 

3点目は思った以上に残業が多いということ。勤務時間内はすべて訪問しているという日も珍しくはないので、記録を時間外ですることが多いです。夕方になると集中力も途切れちゃって今日あったことをしゃべったりとペースダウンもしてしまう。

それに日々の記録以外にも、連携FAXを作成したり、計画書・報告書、モニタリング、利用者さんが入院された場合は看護サマリーの提出などの業務があります。それに加えて各委員会の業務もしなければいけないし…これに関してはほぼ時間外で準備しないと追いつきません。この辺りは病棟も似たような感じではありましたが…

あとは夕方に呼び出し対応が必要になるケースもあるので単純に残業していたりもします。

気が付けば19時20時と時間が過ぎてしまうことが最近は増えてきています。

どうしたら改善できるのか、今色々考え中です。もう少ししなくていいことをまとめ直して残業時間短縮につなげたいのです。残業が増えると、疲れも溜まって思考回路もネガティブになりがちです。

私は当初残業をなくして家庭と両立したいと思っていたのに、今は病棟とも大差ない感じになってきているので…正直こんなはずじゃなかったのにとは感じています。それでもいいと思えるのはやりたかった仕事だから、ってこの思いだけなのかな。

 

 

ちなみに悩みには挙げていませんが収入は病棟よりどうしても少なくなってしまいます。今所属している法人そのものが給与が少ないのかもしれませんが…ただ待機手当や残業がたくさんついてくると、自分的にはそんなもんかな…と思うくらいにはなります。

病棟より負担が少ないからこれくらいが妥当だろうとも思います。残業や待機がないと40歳を超えても手取り20万は届かないです。ちなみに待機手当はうちでは1時間100円の計算だそうです。何もなければいいなって思いますね、呼び出しがあればまた追加されますが、電話だけで済む内容であることが多いのでやりとりに割く時間を考えると自給100円じゃ悲しいなって気もします。

 

ここまで色々と悩みを書いてきましたが

その時間を一人の利用者さんにささげることができる。処置に追われるばかりではなくゆっくりお話しの時間が持てる。どうしたらよりよく暮らせる?と考えたり、看取りもしっかり向き合える。私はやっぱり利用者さんが住み慣れたおうちで過ごすための支援が好きです。

 

働く側にとって訪問看護のよいところももちろんたくさんあります。自分の時間は減った気がするけど、子供たちと生活サイクルが近くなったので寂しい思いをさせにくくなったかな。夜勤で一晩いないというのは寂しいかなと思いますので。なにより待機あるとはいえ、昼おきて夜眠れる生活はありがたいです。病棟よりお昼休憩がとりやすいっていうのもいいかな。あと事務所に戻るとナースコールはないので気分的にホッとします

 

訪問看護3年目でぶちあったっている悩みを書いてみましたが、総じて私は転職したことに後悔はありません。転職について悩まれている方に何かのヒントになれば…そう思います。それではここまで読んでいただきありがとうございました。

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